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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2011年07月21日

2007 アルファロメオ アルファ 159 スポーツワゴン 2.2 JTS セレスピード

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159のワゴン版。日本では2007~2011年に販売

アルファ 159 スポーツワゴン
(写真:フィアット グループ オートモービルズ ジャパン)

「159 スポーツワゴン」は、4ドアセダンの159をベースにしたステーションワゴン。先代156 スポーツワゴン同様、積載性よりもスポーティなスタイリングや走りを追求したモデルだ。イタリア本国では2006年3月にデビューした。

日本では2007年4月に発売。日本仕様は2.2リッター直4・直噴エンジン(185ps、23.4kgm)+6速セミATの「2.2 JTS セレスピード」、そして3.2リッターV6・直噴エンジン(260ps、32.8kgm)+フルタイム4WD+6速ATの「3.2 JTS Q4 Qトロニック」の2種類。セダンには左ハンドルや6MTもあったが、159スポーワゴンの場合は右ハンドルの2ペダル車しか導入されなかった。当初の価格はセダンより50万円ほど高い451万~592万円だった。

多彩なオプションパッケージ

今回試乗した159スポーツワゴン 2.2 JTS セレスピード “フレッチャ・ドーロ II”

グレードに関しては少々複雑で、下位から「プログレッション」、「ディスティンクティブ」、「エレガント」といったグレードが設定されたが、実際に販売されたのはベースグレードにバイキセノンヘッドライトやBOSEサウンドシステム等を追加した「トゥーリズモ II」、チベットレザーシート等を装備した「フレッチャ・ドーロ II」、「ディスティンクティブ」にポルトローナ・フラウ社製レザーシートなどを備えた「ヴィラ・デステ II」になる、といった変則的なパターン。なお、フレッチャ・ドーロ(Freccia d'Oro)とはイタリア語で「金の矢」のこと。戦前にあったアルファロメオの名車に因んだ名称のようだ。

2008年には、ローダウンサスペンション、235/40R19タイヤ、ブレンボ製フロントキャリパー等を備えた「TI」を追加。2011年3月には日本での販売を終了し、追ってセダンも販売終了となった。

 

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159セダンの後半をワゴン化

ボディの前半分は159セダンと共通

ボディサイズは159セダンとほぼ同じで、全長4690mm×全幅1830mm×全高1440mm。全長は短めで、ボディ幅は欧州サイズの「ショート&ワイド」なプロポーションだ。

デザインを担当したのは、ジョルジェット・ジウジアーロとアルファ・ロメオのスタイリングセンター。159開発時からスポーツワゴンの要件は折り込み済みだったはずで、バランスよくワゴンボディ化している。メッキ仕上げのドアハンドルをボディサイドのアクセントとするなど、派手さを抑えた上品なデザインだ。

 
ボディカラーは赤(アルファレッド)のほか、シルバー、ブラック、ブルー、ホワイトなど
ドアハンドルは最上級セダンの166風
バイキセノンライトは標準装備。写真はロービームとウインカーを点灯中

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雰囲気はイタ車そのもの

試乗車は2DINタイプのHDDナビ(富士通テンのイクリプス製)を装備

運転席の正面に大きな速度計と回転計を配し、センターコンソールに油温計、水温計、燃料計をドライバー側に傾けて置く手法は、アルファロメオの十八番と言えるもの。また黒のダッシュボードにベージュのレザーシートという組み合わせも、言ってみればイタリア車の伝統芸みたいなものだ。

インテリアは先代156よりも広々しており、トランク容量もアップ。このあたりのパッケージングはBMWの3シリーズ・ツーリングやアウディA4 アバントといったライバル車を意識した感じ。エアバッグは前席フロント、前席サイド、ウインドウ、そして運転席ニー(膝部)と計7個を標準装備する。

 
大径メーターや赤の透過照明がアルファらしい
Olio、Acqua、Benzinaといったイタリア語が楽しい
ブロック型キーをセットし、スタートボタンを押して始動する
 
セレスピードのシフトパターンは従来型と異なる
試乗車は「フレッチャ・ドーロ II」で、チベットレザー仕上げ
リアシートの座り心地は良好で、空間にも不足なし
 
床下にはスペアタイヤと車載工具を収納
最大容量は1235リッター。拡大時はトノカバーを外し、背もたれを倒す
荷室容量は156ワゴンより2割ほど増えて445リッター。ネットは標準装備
 

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やっぱりアルファはアルファ

「2.2 JTS」の最高速は220km/h、0-100km/h加速は9.0秒(いずれもメーカー発表値)

試乗したのは2007年式の「2.2 JTS セレスピード」。初年度登録からちょうど4年で、走行距離は3万2300km。コンディションのいいワンオーナー車だ。新車価格はオプション込みで460万円ほどだったはずだが、当車両の販売価格は279万円。

この2.2 JTSエンジンは、直噴に加えて、吸気バルブと排気バルブの双方に連続可変バルブタイミング機構「ツインフェーザーテクノロジー」を採用した最新鋭ユニット。往年のツインスパークみたいに、回転計の針をビュンビュン躍らせるレスポンスや燃焼感のあるサウンドはないが、燃費優先の無味乾燥なエンジンではない。内燃機関らしく活き活きと回り、2速で一気呵成に加速するところは刺激的。接地感がやや薄く、多少トルクステアもあったのは、摩耗が進んで5分山くらいになっていたピレリ・Pゼロ・ロッソの影響が大きいと思う。

赤いヘッドカバーがエンジンルームに華を添える。JTSとは「Jet Thrust Stoichiometric」のこと

セレスピードも新世代だが、シフトアップ時のトルク切れは、1速→2速でやっぱり少し出る。感心したのは変速スピードを優先する「スポーツ」モード選択時。レーシングカーのドグミッションみたいに、ガツッ、ガツッとダイレクトにシフトアップしてゆく感覚は、流行りのDCTでは味わえない。

この2.2 JTS セレスピードの場合、高回転まで回りきるエンジン、乗り手にちょっとした技量を求める操縦性、パドルシフトを駆使してエンジンパワーを引き出すところなど、相変わらずアルファロメオ独自の世界。ドイツ御三家、フランス御三家、そして日本車などのライバル車と比べるまでもなく、「やっぱりアルファはアルファ」という印象。

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年式・車名  2007 Alfa Romeo Alfa 159 Sportwagon 2.2 JTS Selespeed Freccia d'Oro II
形式  ABA-93922
寸法  全長4690mm×全幅1830mm×全高1440mm
ホイールベース  2705mm
車重    1630kg
駆動方式  FF
エンジン  2198cc 直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴
最高出力  185ps(136kW) /6500rpm
最大トルク  23.4kgm (230Nm)/ 4500rpm


トランスミッション  6速セミAT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 70L
10・15モード燃費  8.8km/L
タイヤ      225/50R17
最小回転半径   -m
発売時期     2007年4月(159 スポーツワゴン)
当時の新車価格  462万円(2.2 JTS セレスピード フレッチャ・ドーロ II)


試乗車スペック

初年度登録   2007年6月
試乗日     2011年6月
販売価格    279万円(消費税込み)
走行距離    3万2300km
ボディカラー  アルファレッド
備考      ワンオーナー、イクリプスHDDナビ・TV・CD・MD・バックカメラ、ETC
AIS評価点    5点

 

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「2.2 JTS セレスピード」と「3.2 JTS Q4 Qトロニック」の二者択一

オートプラネット名古屋に並ぶ159シリーズ。二台とも2.2 JTS セレスピード フレッチャ・ドーロ IIで、黒のセダン(2008年式)は289万円

159セダン/スポーツワゴンにしろ、ブレラやスパイダーにしろ、悩みどころはパワートレインだ。159スポーツワゴンの場合、MT車が日本には入らなかったので、選択肢は6速セミATの「2.2 JTS セレスピード」か、6ATの「3.2 JTS Q4 Qトロニック」の二つになるが、この両モデル、走らせた時の印象は全く異なる。

まず「3.2 JTS Q4 Qトロニック」は、フラットトルク型のV6、スムーズなトルコン6AT、そしてトルセンCを使ったフルタイム4WDによる盤石の走りが身上。トルクステアもなく、最高速235km/hの高性能を誰でも安心して引き出せるクルマで、まさに「アウディ・クワトロのアルファ版」。同じ3.2リッターV6でも147や156の「GTA」とは真逆で、かなり安定方向に寄っている。イタリア車やアルファロメオのデザインや雰囲気は大好きだが、機械としてはドイツ車的なものがいい、という人には理想的だと思う。

 

一方、「2.2 JTS セレスピード」の持ち味は軽快感。車重はV6モデルより200kgも軽いし、試乗インプレッションでも触れたように、運転の面白さやアルファらしさは、こちらの方が濃い。とはいえ、このモデルへの評価は結局のところ、セレスピードの是非に掛かっている。完成度の高い最新セレスピードだが、それでも依然としてシフトショックがあったり、クリープが無かったりと、通常のATと異なる動作があるのは事実。これに関しては、147や156でもいいので、実際にセレスピードに試乗してみるのが手っ取り早い。それで「気に入った!」となれば、もう迷うことはないだろう。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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