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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2011年10月11日

2010 ボルボ V70 ノルディック

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看板モデルの第3世代。2007年に発売

2007年秋の東京モーターショーで発表された3代目V70 (写真:DAYS)

ボルボの主力ステーションワゴンであるV70は1997年に登場。今回取り上げるのは2007年秋に日本で発売された3代目だ。

基本設計は最高級セダンの2代目S80(2006年発売)がベースとなり、ボディサイズは従来モデルより大きく、高級感も一気に高まっている。また低速走行時の追突を未然に防ぐ自動ブレーキシステム「シティセーフティ」をXC60に続いて2009年に採用(最上級グレードに標準装備、他グレードにオプション。2011年10月から全車に標準装備)。2011年には歩行者との衝突を自動ブレーキで回避する「ヒューマンセーフティ」を採用するなど(T6に標準装備、他グレードにオプション設定)、先進安全装備を積極的に採用しているのが大きな特徴だ。

2011年には直4ターボ&直6ターボで再編

3代目V70と同時に発売されたクロスオーバーSUVタイプの新型XC70 (写真:DAYS)

発売当初は自然吸気の3.2リッター直6(238ps、32.6kgm)と3リッター直6ターボ(285ps、40.8kgm)でスタート。少し遅れて2.5リッター直5ターボ(200ps、30.6kgm)が追加された。初期ラインナップの価格は488万~750万円。なお、最低地上高を上げてクロスオーバーSUVとした「XC70」もV70と同時に発売されている。

2009年には改良型の2.5リッター直5ターボ(231ps、34.7kg)を搭載したエントリーグレード「ノルディック」を449万円で発売。これが今回の試乗車だ。

2011年2月にはラインナップを再編。直5ターボ車を廃止し、代わりに1.6リッター直4ターボ(180ps、24.5kgm)の「DRIVe (ドライブ・イー) 」と2リッター直4ターボ(240ps、32.6kgm)の「T5 SE」を追加。3リッター直6ターボ(304ps、44.9kgm)の「T6 AWD R-DESIGN」と合わせて3グレード構成とした。2011年10月現在も、このラインナップで販売中。

 

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ボディは大型に。デザインは上品に

ボディサイズは全長4825mm×全幅1890mm×全高1545mm。ルーフレールは全車メーカーオプション

初代や2代目に比べて、大きく立派になった3代目V70。先代に比べて全長は105mm長く、全幅は85mmもワイドになり、全高は55mm高く、ホイールベースは60mm長くなっている。

デザイン面では「ボルボ=カクカク」のイメージもあると思うが、3代目V70のそれは角を落とした上品なもの。ちなみに日本デビューの場となった2007年の東京モーターショーでは、ボルボ初のワゴン「PV445 デュエット」と並べて展示されたほか、発売時のカタログにも1ページ目にデュエットの写真が掲載された。半世紀の間にボルボのワゴンもずいぶん変わったものだが、なんとなく新旧で通じる部分があるようにも見える。

 
ボルボ PV445(1953年)
文字の間が離れたリアの「V O L V O」エンブレムは1950年代のものがモチーフ
キセノンヘッドランプは3代目V70全車に標準装備

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先代より質感は大幅にアップ

上級グレードはウッドパネルになるが、試乗車はアルミパネル仕様

裏側が空洞になった板状のセンターコンソール「フリーフローティング・センタースタック」はボルボでおなじみのものだが、V70ではこの3代目で初採用。一般的なDINタイプのオーディオやナビは使えないが、今や携帯デジタルオーディオ機器や安価なメモリーナビが一般的だから、大きな問題ではないだろう。

試乗車はエントリーグレードの「ノルディック」で、ダークグレーの樹脂とアルミパネルでクールな雰囲気。質感は先代V70より確実にアップしており、空間も全方位で広くなった。電動パーキングブレーキなど装備の近代化もしっかり行われている。

 
平均燃費計を装備。ステアリングスイッチはオーディオとクルーズコントロール
試乗車のナビは社外品。昇降式だが、バネ仕掛けの手動になっている
ノルディックの場合、レザーシートはオプション。座り心地は文句なし
 
見事に出っ張りのない荷室。後席を畳んだ時の最大容量は1600リッター
先代XC70のように後席の背もたれは3分割(40:20:40)となった
いかにも頑丈な作りのヘッドレストがボルボらしい
 
スペアタイヤはなく、代わりにパンク修理キットを搭載
フロアボードはダンパーストラット付でスムーズに開く
カーゴフィックスレールにはスライド式のアルミ製フックが備わる


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直5ターボ+6ATで、スムーズかつ快適

ノルディックは2.5リッター直5ターボを搭載。最高出力は231ps、最大トルクは34.7kgm

試乗したのは当時のエントリーグレード「ノルディック」。2010年式の約1年半落ちで、走行距離が1万2700kmというワンオーナー車だ。ホイールにはキズ一つなく、シフトレバー周辺にもキズ防止の透明フィルムが付いたまま、といった具合にコンディションは上々で(AIS評価点は5点)、販売価格は新車時の449万円より90万円ほど安い359万円。

搭載するエンジンは2.5リッターの直5ターボ。この横置きの直5という特異なレイアウトは1991年発売の850以来、ボルボでは20年間続くもので、クラッシャブルゾーン確保の容易さのほか、6気筒に迫るスムーズさ、そして独特のトルク感といったところがメリット。ターボ付ではさらにトルクが上積みされ、実際のところ確かに乗りやすい。

静粛性は先代V70を大幅にアップした感じ。ATが6速になったので、その点でもスムーズさは格段に増している。ターボラグはほぼ皆無なので、予備知識がなければターボだと気付かない人もいるはず。

心拍数はそのままに緩急自在

ノルディックの最高速(公称値)は発見できなかったが、改良前の200ps版「2.5T」は209km/h。「3.2」(238ps)は235km/h、「T-6 AWD」(285ps版)は245km/h

アクセルを踏み込めば、直5ターボがシュィーンと軽くハミングしながら231ps、34.7kgmを発揮。車重1750kgのボディをスムーズに加速させる。そんな時でも「速い」とか「パワフル」といった感覚はないが、それがボルボ。心拍数はそのままに、心穏やかに緩急自在のドライブが楽しめる。

マイルドな乗り心地は先代の延長線上だが、何となくユルユルゴトゴトしていた従来モデルに比べて、S80譲りのシャシーを持つ新型は路面からのショックや上下動を飲み込むように吸収する。また今回試乗したのはUカーだが、これくらい新しいとシャシーのヤレなどは皆無。乗った感じは新車デモカーと何ら変わるところはない。

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年式・車名  2010 Volvo V70 Nordic
形式  DBA-BB5254W
寸法  全長4825mm×全幅1890mm×全高1545mm
ホイールベース  2815mm
車重    1750kg
駆動方式  FF
エンジン  2521cc 直列5気筒DOHC・4バルブ・ターボ
最高出力  231ps(170kW) /4800rpm
最大トルク  34.7kgm (340Nm)/ 1700-4800rpm


トランスミッション  6AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 70L
10・15モード燃費  9.5km/L
タイヤ      205/60R16
最小回転半径   5.5m
販売期間     2009年7月~2011年2月(ノルディック)
当時の新車価格  449万円(消費税込み)


試乗車スペック

初年度登録   2010年4月
試乗日     2011年9月
走行距離    1万2700km
ボディカラー  アイスホワイト
備考      ワンオーナー、新車保証残りあり、ETC付
AIS評価点    5点
販売価格    359万円(消費税込み)

 

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失って分かる? 直5ターボの良さ

オートプラネット名古屋に並ぶV70。ちなみに隣の先代XC70は117万円

今回試乗したノルディックを含めて、日本向けV70の直5搭載車は2011年2月にドロップしてしまい、すでに新車では買えなくなってしまった。考えてみるとボルボらしいゆったり感を過不足なく備えていたのが今回のノルディックや2.5T LEのような直5モデルだったと思う。

ついでに他のエンジンにも簡単に触れておくと、その直5モデルより一足早く2009年に販売が終わった自然吸気・直6の3.2 SEはさらに上質なエンジンだが、少々高回転型となる。また最上級グレードのT-6に搭載される直6ターボはスポーツカーにも使えそうなくらいパワフルで、音もいい。贅沢なユニットだ。

Uカー相場が高めの現時点では、新車のドライブe(449万円)やT5 SE(499万円)の存在もチラつくはず。ただドライブeの1.6リッター直4ターボは割と高圧ターボ系で、温厚でトルクフルな2.5Tとはキャラクターがかなり異なる。2リッター直4ターボのT5 SEは未試乗なのでコメントは控えたいが、今ならディーラーで試乗できるはずだ。

グレード選びより重要なこと

LEDのテール&ストップランプは特徴的で、夜間だと一目でV70だと分かる

グレード選びより、もっと重要なことがある。それは「シティセーフティ」および「ヒューマンセーフティ」の装備にこだわるかどうか。装着の有無は年式、グレード、オプション設定によって異なるので、Uカー毎に確認が必要だ。

シティ(低速での追突回避)にしろ、ヒューマン(歩行者への衝突を回避)にしろ、いずれの自動ブレーキシステムも、よそ見運転をしたり、前方不注意だったりしなければ作動しないものだが、万一の事故を防げると思えば安いもの。今、新車でV70を買うなら? もちろん「ヒューマンセーフティ」を注文すべきだ。

と書いたところで、ボルボ・カーズ・ジャパンから、この10月にV70とXC70全車にシティセーフティを標準装備したという発表があった。そんな動きを踏まえた上で、自分にとってベストのV70を選んで欲しい。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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