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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2011年10月20日

2011 プジョー 308 CC プレミアム

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電動メタルトップの4人乗りカブリオレ

今回試乗したのはマイナーチェンジ直前の2010-11年モデル (写真:プジョー・シトロエン・ジャポン)

「308CC」は前身の307CC同様、電動メタル製ルーフを備えた4人乗りの「CC(クーペ・カブリオレ)」。一回り小さな207CCが2+2(ツープラスツー)であるのに対し、こちらは大人4人が乗れるフル4シーターとなっている。

日本では2009年6月に発売。1.6リッター直噴ツインスクロール式ターボエンジンと4ATを搭載し、「プレミアム(Premium)」と「グリフ(Griffe)」の2グレードで登場。価格はそれぞれ420万円と455万円だった。どちらも当初はレザーシートが標準で、特に後者はダッシュボードやドアの内張りまでレザーで覆われたインテグラルレザー仕様となり、タイヤは17インチとなる。また標準仕様は右ハンドルだが、グリフでは左ハンドルもオーダーできた。初年度の目標販売台数は300台だった。

2010年に馬力アップ&6速化。2011年にフェイスリフト

2011年7月に発売されたフェイスリフト版 (写真:プジョー・シトロエン・ジャポン)

2010年3月にはマイナーチェンジ。最高出力を140ps→156psにアップし(トルクは24.5kgmのまま)、4ATをアイシンAW製の6ATに換装。タイヤは全車17インチとなった。

2011年7月にはフェイスリフトを実施。バンパー、ヘッドライト、グリル等のデザインを変更し、LEDポジションランプを追加。またディレクショナル キセノンヘッドランプ(コーナーに合わせて照射範囲を左右に可変する)を全車標準とした。

同時にエントリーグレードの「プレミアム」をファブリックシート&16インチタイヤ仕様としたほか、「グリフ」のインテグレーテッドレザーを標準からオプションに変更するなどして、価格を全体に引き下げている。2011年10月現在も、プレミアム(399万円)とグリフ(420万円)の2グレードで販売中。

 

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非日常感あり。ルーフは約20秒で開閉可能

全長4455mm×全幅1820mm×全高1430mm。発売時のボディカラーは全8色だった。

308シリーズの最強グレード「GTi」譲りのフロントバンパーによって、前から見るとRCZと見紛うような308CC。サイドに回れば電動メタルトップ特有の弧を描いたルーフラインが美しく、リアに回ればスラントしたトランクリッド、リアスポイラー、フルLEDのリアコンビランプ、専用バンパーからなる後ろ姿がカッコいい。クルマ全体にコンセプトカーのような非日常感が漂う。

電動ルーフの操作はスイッチを押すだけ。ロック操作もオートで、Dレンジのままでも操作可能だ。開閉に要する時間は先代307CCより5秒短かい約20秒で、信号待ちでも躊躇なく操作できる。ちなみに308CCはフランスのソショー工場で生産されているが、電動ルーフはドイツのマグナCTS社製になる。

 
リアコンビランプはウインカーも含めてフルLED
ルーフは約20秒で開閉。4枚のサイドウインドウもワンタッチで開閉可
2011年7月までのプレミアム(試乗車)はハロゲン式。グリフは全年式で光軸可変式のキセノン

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「見せる」「見られる」を意識したインテリア

発売時の内装色はブラック、ヴィンテージ(試乗車)、グレージュ/ラマ(ライトグレー)の3種類

オープンカーの場合は内装も外装の一部となりえるので、「見せる」「見られる」を意識したデザインになっている。ステアリング、ホワイトメーター、ドアトリム、シートは308CC専用。特にCC専用のレザーシートは手の込んだデザインで、しかもオープン走行に備えてシートヒーターのほか、首回りを温風で暖める「ネックウォーマー」も内蔵している。

またプジョー独特の美意識は、ドイツ車や日本車にある少々定型的な「高級感」とは一線を画すもの。カラーコーディネイト、触感、仕上げへのこだわりは、クルマの内装というよりアパレル的だ。上級グレードの「グリフ」ではダッシュボードやドア内張までレザーで覆う「インテグラルレザー仕様」となり(2011 年後半からはオプション)、よりハンドメイド感が増す。

また昨今はオープンカーでもクローズドボディ並みの衝突安全性を確保するのが当たり前。308CCでは横転の可能性が生じると瞬時にポップアップするロールバーのほか、6エアバッグを装備。ユーロNACAPでは最高評価の5つ星を取得している。

 
ペダルはアルミ製ベース+ゴム製滑り止め。質感が高く、操作感も良い
一見シートヒーターのスイッチだが、実はネックウォーマー用。左下はルーフ開閉スイッチ
試乗車はHDDナビ付。モニター角度の調整範囲が狭く、昼間は映り込みが気になった
 
電動レザーシートはオープン時に首回りを温風で暖めるネックウォーマーを内蔵
後席にネックウォーマーはないがデザインは前席と共通。背後にポップアップ式ロールバーを備える
クローズド時。背もたれは立ち気味で、頭上にはリアガラスが迫るが、居心地は良い
 
パンク修理キットを搭載。四つ折のウインドディフレクターもここに収納する
クーペ時の荷室容量は403リッター。通常はトノカバーで上下を仕切る
オープン時の荷室容量は226リッターと少なく、開口部も狭まる


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1.6直噴ターボ+6ATで快適スムーズ

オープンボディ化にあたって床下には7mm厚のバーが対角線上に入り、フロアパネルは二重になる

試乗車は2010-11年モデルの156ps&6ATバージョン。なにぶん初年度登録から8ヵ月という車両なので、走行距離は7500kmと少なく、コンディションは極上。AIS評価点も、ほぼ失点なしの6点。価格は新車時の420万円に対して359万円。

308、3008、RCZなどで最新プジョー車の完成度が高いことは知っていたが、この308CCもやはりいい。パワーウエイトレシオは約10kg/ps に過ぎないので速くはないが、最大トルクは24.5kgm/1400-3500rpmと分厚く、思い通りの加速が可能。レスポンスが穏やかな分、落ち着いて走れるのもいい。これに2010年モデルからのアイシンAW製6ATがさらなる滑らかさをプラス。助手席の人に「いいクルマですね」「運転が上手」などと言ってもらえるクルマだ。

高速オープンドライブが可能

MINI クーパーSなどと基本設計は共通の1.6直噴ターボ。2010年から156ps&6AT化されている

オープンで走っても快適至極。風の巻き込みはほとんどなく、さらにウインドディフレクターを後席の上に据え付ければ、乱流をほぼシャットアウトできる。その分、風を浴びながら走る醍醐味は薄まるが、頭上を風が流れ去るのを感じながらドライブするのも、また気持ちがいいものだ。

そんな時に嬉しいのが、前席乗員の首まわりを温風で暖める「ネックウォーマー」。これは2600万円以上もするベントレーの超高級カブリオレ、コンチネンタル GTCにも備わるもの。もちろんシートヒーターも完備するから、真冬でも快適にオープン走行が楽しめるはず。

 
風の巻き込みの少なさは2シーターのオープンスポーツ並み

また電動ハードトップのオープンカーでは、ルーフを開けると操縦性が激変することがあるが(フロントの接地感が減ったり、アンダーステアが強まったりする)、今回の308CCではそれがぜんぜん気にならなかった。その点でもオープンで走り続けるのが苦にならない。

乗り心地や静粛性も文句なし。ボディの剛性感も二昔前のカブリオレとはまさに隔世の感がある。ちなみにこの日は2009年式のVWティグアン(2リッター直噴ターボ+6AT)にも試乗したのだが(次回更新予定)、パワー感や乗り心地がそっくりで、308CCをクローズドにしていると一瞬どっちに乗っているのか分からなくなる時があった。

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年式・車名  2011 Peugeot 308 CC Premium
形式  ABA-T7C5F02
寸法  全長4455mm×全幅1820mm×全高1430mm
ホイールベース  2610mm
車重    1580kg
駆動方式  FF
エンジン  1598cc 直列4気筒DOHC・4バルブ・ターボ
最高出力  156ps(115kW) /6000rpm
最大トルク  24.5kgm (240Nm)/ 1400-3500rpm


トランスミッション  6AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 60L
10・15モード燃費  11.0km/L
タイヤ      225/45R17
最小回転半径   5.4m
販売期間     2009年6月~2011年7月(308CC前期型)
発売時の新車価格  420万円(消費税込み)


試乗車スペック

初年度登録   2011年2月
試乗日     2011年10月
走行距離    7500km
ボディカラー  パールホワイト
備考      ワンオーナー、新車保証残りあり、イクリプスHDDナビ、ETC付
AIS評価点    6点
販売価格    359万円(消費税込み)

 

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4ATも悪くないが、燃費なら6AT

今のところ308CCは、2009年6月~2010年3月、2010年3月~2011年7月(今回の試乗車)、2011年7月以降の3つに分けることができる。エンジンはどれも1.6の直噴ターボだが、いくつかの点で異なるところがある。

まず初年度モデルは140psエンジン+4ATだが、エンジンは柔軟性に富み(最大トルクは改良後と同じ24.5kgmある)、パワー感に不足はない。また変速マナーも4ATとしてはかなり滑らかで、これはこれで不満なく乗れる。

 
オートプラネット名古屋に並ぶ今回の308CC。ここはプジョーの正規認定中古車センターでもある

2年目以降は156psとなり、変速機も6ATになる。この改良型の売りは燃費がグンと良くなること。10・15モード燃費は4ATモデルの 9.4km/Lに対して2割アップの11.0km/Lになるし、過去の試乗経験でも実用燃費は優秀だった。また変速が滑らかなアイシンAW製6ATは日本人の好みに合っているし、高速巡行中のエンジン回転数を抑えることもできる。走行距離が多い人や高速道路を頻繁に利用する人には、こちらがおすすめ。

2011年7月以降の現行モデルは、フェイスリフト後のデザインが好きな人に。またレザーではなくファブリックシートがいいという人にも、現行モデルを選ぶ意味がある。今なら新車で買うのもおすすめ。

このクラスでイチオシ

クルマ全体の販売台数の中で、オープンカーが占める割合は1%にも満たないと思うのだが、にも関わらず海外メーカーはよくもまあ、と感心するくらい、オープンカーに力を入れている。現行の4人乗りカブリオレに限っても、日本車(国内向け)はレクサス IS250Cくらいだが、輸入車ではメルセデス・ベンツのEクラス カブリオレ、BMWの1シリーズ/3シリーズ カブリオレ、VW ゴルフ カブリオレ、ボルボ C70、アウディ A5カブリオレ、シボレー カマロ コンバーチブル、そしてプジョー207CCなどなど。1000万円オーバーの高級車を含めれば、それこそポルシェの911カブリオレからロールズ・ロイスのファントム ドロップヘッドクーペ(5491万5000円)まで、きら星のごとく選択肢がある。要するに、オープンカーは絶対数は売れなくても欠かせない商品、という認識が海外メーカーにはあるのだろう。

そんなニッチの超激戦区にあって、308CCの売りは何か。それはやはり圧倒的なバリューとデザインだろう。新車でも400万円からという価格は電動メタルトップのフル4シーターモデルとしては最も手頃なものだし、内外装のデザインにはその倍額以上の非日常感がある。走行性能、快適性、実用性については本文で触れた通り。もし今、308CCを検討中の方がいたら、自信をもって勧めたいと思う。それくらい完成度が高いクルマだ。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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