掲載日 : 2011年11月21日
2009 メルセデス・ベンツ SLK200 コンプレッサー
バリオルーフを備えた小型オープン。2代目は2004年~2011年に販売
メルセデス・ベンツの「SLKクラス」は、1996年にデビューした2人乗りの小型オープンスポーツカー。電動開閉式ハードトップの「バリオルーフ」を閉じてクーペに変身するのは、同社の高級オープンスポーツカー「SLクラス」と同じだが、SLKは一回り以上コンパクトなボディ、カジュアルなデザイン、軽快な走りを特徴とする。
今回とりあげるのは2004年~2011年の7年間販売された2代目(初代のR170型に対してR171型と呼ばれる)。基本コンセプトやパッケージングは初代を継承するが、外観デザインは同社の頂点たるスーパースポーツ「SLR マクラーレン」譲りになっている。
エンジンは直4、大小のV6、V8の4種類。2008年にマイナーチェンジ
日本で販売された2代目SLKは、1.8リッター直4スーパーチャージャーの「SLK200 コンプレッサー」、3リッターV6の「SLK280」、3.5リッターV6の「SLK350」、5.4リッターV8の「SLK55 AMG」の4グレード。変速機は200 コンプレッサーのみ5ATで、他は7AT。
留意したいのは2008年にマイナーチェンジが実施されていること。バンパーや灯火類のデザインが変わったほか、200 コンプレッサーと350のエンジンを改良。また全車標準のナビシステムがDVDからHDDになり、地デジチューナーも標準になっている。
2011年7月には3代目(R172型)にフルモデルチェンジ。新世代の1.8リッター直4ターボエンジンや7速ATを採用するなど、文字通り全面的に改良されている。(2011.11)

SLR マクラーレンをギュッと凝縮
どことなくキュートだった初代SLKに対して、F1マシン風の精悍なスタイリングが魅力の2代目。デビュー当時、F1のセーフティカーがSLK55 AMGだったのを覚えている方も多いだろう。
試乗したのは2009年式で、つまりマイナーチェンジ後のモデル。この後期型(2008年~2011年モデル)は、F1のフロントウイングみたいなバンパーを備えるほか、全体に装備がアップデートされており、2代目SLKの中でも人気があるもの。とはいえ、SLR マクラーレンを凝縮したようなスタイリングは前期型も同じだ。エキゾチックな迫力はないが、日常生活で「浮かない」カジュアル感こそ、歴代SLKの魅力。
「エアスカーフ」で真冬も快適
インテリアは全体にシンプルで、SLクラスほどの「ラクシャリー」感はないが、初代SLKのオモチャっぽい感じはまったくない(あれはあれで魅力的だが)。特筆すべきは、オープン時にヘッドレストから首もとや肩に吹き出す「エアスカーフ」が装備されていること。バックレストにセラミックヒーターを内蔵したもので、風量は3段階で調整可能。試乗した日は11月にしては暖かい日で、威力を実感するには至らなかったが、気温が10度Cを下回る状況なら相当頼りになるはず。
実直なエンジン。穏やかな操縦性
試乗したのは2009年式の「SLK200 コンプレッサー」。約2年半落ち、走行距離は2万0700kmで、コンディションも文句なし(AIS評価点は5点)。新車時の価格は570万円(標準仕様)だったが、当車両はオプションのレザーシートやバイキセノンヘッドライト付で345万円。
2代目SLKを運転するのは今回が初めて。初めて乗るクルマ、特にスポーツカーとなれば、ついつい期待してしまうものだが、走り始めて思いだしたのは、この1.8リッター直4スーパーチャージャーが同世代のCクラス(C200 コンプレッサー)と同じエンジンであること。この2代目SLK後期型の場合、最高出力は184ps、最大トルクは25.5kgmにアップしているが、吹け上がり方、サウンド、トップエンドのパワー感は大ざっぱに言ってCクラスのそれと大差ない。低回転からトルキーで実直なエンジンという印象。
直進安定性やマイルドな乗り心地もメルセデス・ベンツらしいもので、CクラスやEクラスから乗り換えてもすぐに馴染める。ただしバリオルーフを搭載する分、ボディ後部の上方が重く、それが軽快感を削ぐ方向に働くのは仕方ないところ。その点では4シーターのカブリオレに運転感覚は近い。少なくともこの「200 コンプレッサー」の場合、目の覚めるような動力性能やハンドリングではなく、クローズドでの快適性やオープンエアの気持ちよさを愛でる乗り方が似合う。
オープン時の巻き込みは最小限で、ライバルのZ4、アウディTT ロードスター、ボクスターなどと遜色ないレベル(風の流れ方に微妙な差はある)。特にエアスカーフを含めた強力なヒーティングシステムは、ライバル車の一歩先を行く武器だ。このあたりの装備にも、オープン走行を快適に楽しんで欲しい、というメッセージが感じられる。
年式・車名 2009 Mercedes-Benz SLK200 Kompressor
形式 DBA-171445
寸法 全長4110mm×全幅1810mm×全高1300mm
ホイールベース 2430mm
車重 1430kg
駆動方式 FR(後輪駆動)
エンジン 1795cc 直列4気筒DOHC・スーパーチャージャー
最高出力 184ps(135kW) /5500rpm
最大トルク 25.5kgm (250Nm)/ 2800-5000rpm
トランスミッション 5AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 70L
10・15モード燃費 11.6km/L
タイヤ 前205/55R16・後225/50R16
最小回転半径 4.9m
販売期間 2004年~2011年(2代目SLK)、2006年~2011年(200コンプレッサー)
発売時の新車価格 570万円(消費税込み、2008年10月発売モデル)
試乗車スペック
初年度登録 2009年4月
試乗日 2011年11月
走行距離 2万0700km
ボディカラー カルサイトホワイト
備考 レザーシート、バイキセノンヘッドライト(以上は純正オプション)、ETC付
AIS評価点 5点
販売価格 345万円(消費税込み)
グレード(エンジン)によって印象は異なりそう
SLKには大きく分けて初代、2代目、3代目(現行モデル)とあるわけだが、このうち初代と2代目は基本設計が近く、運転感覚も近いと思っていい。ただしデザインの方向性は初代と2代目で全く異なるし、相場も初代は100万円台、2代目は200万~300万円台とそれなりに差がある。
現時点でUカーを買うなら、やはり2代目が最も価格やコンディションの面でバランスがいい。ただしその2代目もエンジンによってグレードが4つに分かれる。今回試乗した「200 コンプレッサー」は相場的には手頃だが、本文にある通りスポーツカーとしてのキャラクターは薄め。一方、「350」の3.5リッターV6や「55 AMG」の5.4リッターV8なら他モデルで味わったエンジンの印象から言って、かなり異なる感想が予想される。いかんせんSLKでは他グレードに乗った経験がないので、ここから先はぜひそれぞれで探求してください。
あえてライバル車を勧めるなら
ここから先はSLKを含めて「2人乗りオープンスポーツが欲しい」という方に向けての話。その場合は、ぜひBMWの初代Z4(電動ソフトトップ)、2代目Z4(電動ハードトップ)、アウディの初代および2代目TT ロードスター(いずれも電動ソフトトップ)、ポルシェ ボクスター(電動ソフトトップ、ただし2001年式までリアウインドウはビニール製)あたりを候補に。また実はSLクラスの相場がSLKのそれと大差ないことも知っておいて損はない。この中から何を選ぶかは「何を求めるか」で変わってくる。それぞれの印象は、エンジン音一つとっても全く違う。
また「2人乗りにはこだわらないが、快適性や電動ハードトップは必須」という方には、4人乗りカブリオレのプジョー308CCやボルボ C70(現行型)もおすすめしたい。いずれもFF車だが、2代目SLKクラスと比較するに十分値する品質感や快適性があると保証できる。
以上、少々広くて浅いアドバイスになってしまったが、それだけいろいろ選択肢があるということ。ぜひオープンカー選びという贅沢な時間を楽しんでください。
Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS










