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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2011年12月28日

2009 MINI ジョン・クーパー・ワークス

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MINIの高性能モデルを担うサブブランド

MINI JCW(エアロ・ダイナミック・パッケージ装着車)
(写真:BMW ジャパン)

MINI「ジョン・クーパー・ワークス」は、BMW MINIで高性能モデルや各種アフターパーツを企画・開発するサブブランド。その名称は1950年代にF1でコンストラクターズチャンピオンを獲得し、1960年代にはクラシックMINIでモンテカルロラリー3勝(1964年、65年、67年)という偉業を成し遂げた名エンジニア、ジョン・クーパー(1923-2000年)の名に由来している。

当初はメーカー純正チューニングキットという形でスタート。完成車の販売が本格化したのはBMW MINIが第二世代に進化してからで、まずは2008年に3ドアハッチバックのJCWを発売。続いて2009年にはクラブマンとコンバーチブルの、2011年にはクーペのJCWを発売。それぞれの価格は2011年12月現在、クーパーSより85万~89万円ほど高く、390万円(3ドアハッチ)、417万円(クラブマン)、440万円(コンバーチブル)、426万円(クーペ)となっている。

最高出力は211psを発揮。全車6MTのみ

MINI JCW コンバーチブル(初期の標準バンパー仕様)
(写真:BMW ジャパン)

エンジンは全モデル共通で、第二世代・初期クーパーSの1.6リッター直噴ツインスクロールターボ(非バルブトロニック版)をベースに、専用ターボチャージャー、ピストン、バルブ、吸排気系などでチューンしたもの。ベースエンジン(最高出力175ps、最大トルク24.5kgm)比で、最高出力は約20%増の211ps、最大トルクは約8%増の26.5kgmを発揮し、変速機は全車6MTになる。

2008年の発売以降、オプション装備を途中から標準化するなどのアップデートはあったが、基本設計に変更はなく、2011年12月現在も販売中。

 

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専用17インチアルミ、ブレーキシステム、エアロパーツ等々を装着

ボディサイズはクーパーSと大差なく、全長3700mm×全幅1685mm×全高1430mm

エクステリアにおけるJCW専用装備は、超軽量17インチアルミホイール、高性能ブレーキシステム(フロントキャリパーはブレンボ製)、センター2本出しの大径マフラーなど。試乗車にはさらに、当時オプションだった「エアロ・ダイナミック・パッケージ」(大型バンパー、サイドスカート、リアスポイラー等)等が装着されており、それらが標準装備となった現行モデルに、見劣りしないスペシャル感を放っている。

 
2本出しマフラーはJCW専用で、クーパーSとは別物
17インチの大径ホイールや専用ブレーキなどが外観の肝。タイヤはランフラット
試乗車はキセノンヘッドランプ付(初期はオプションで、後に標準化)

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モータースポーツの雰囲気がほのかに漂う

JCWのバッジやカーボンパーツが散りばめられたインテリア

インテリアに関しては、どこまでが標準装備で、どこからがオプションか判別のつかない部分もあるが、随所に配された「John Cooper Works」のバッジやチェッカーフラッグのマークなどがJCWの証だろう。ステアリングには手が滑りにくいアルカンタラ(合成スエードの一種)が巻かれており、この一点だけでも、さすがJCW、と思わせられる。

 
速度計はクーパーSの240km/hスケールに代えて、260km/hまで刻む
JCWは6MTのみ。初代クーパーSに比べて操作力は見違えるように軽い
試乗車のシートはノーマルと大差ないファブリック仕様
 
ランフラットタイヤが標準で、パンク修理キットやスペアタイヤはない
荷室容量は160リッターと最小限。背もたれを倒しても広くない
後席はいつものMINI。大人でも座れるが、足もとは窮屈

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クーパーSよりパワフルだが、過激ではない

0-100km/h加速はメーカー発表値で6.5秒。最高速度は238km/h(175ps版クーパーSの13km/h増)

試乗したのは2009年式のJCW。初度登録から3年弱で、走行距離は1万4600km、AIS評価点は5点、そしてワンオーナーというコンディション。当時の新車価格は363万円だが、試乗車はさらに50万円分くらいの純正オプションを装備。ほぼ同じ内容で現行モデルの新車価格は390万円だが、当車両の販売価格は335万円。

JCWに乗るのは今回が初めて。少しザラッとした4気筒ターボ独特のエンジンサウンドは、クーパーSの延長線上だが、迫力はワンランク上。ボーイズレーサー風の音ながらラフな感じはない。

 
クーパーSの直噴ターボは2010年以降バルブトロニック化されたが(馬力は184psで、燃費性能も向上)、JCWのエンジンは今のところ非バルブトロニック版がベースだ

クラッチはやや重めかな、という程度で、すぐに慣れるレベル。リッター当たり約130馬力のハイチューンながら、低回転域のトルク感はクーパーSと変わりなく、発進はイージー。そこからペダルを踏み込めば、ターボラグなしでレスポンス。フロントタイヤを微妙に空転させながら、若干のトルクステアと共に猛然とダッシュする。クーパーSよりワンランク上のパンチは、さすが211ps。前輪駆動でパワーウエイトレシオが約5.7kg/psだと、大抵は大ホイールスピン大会になるものだが、それをトラクションコントロールで安直に抑え込まず(もちろんDSCは微妙に作動している)、しっかりとパワーを路面に伝えてくれる。

乗り心地や直進安定性も文句なし

排気音は適度に入ってくるが、乗り心地は16インチタイヤ標準のクーパーSに遜色なし

感心したのが、乗り心地がMINIとしては抜群にいいこと。このボディサイズ、この大径ワイドタイヤ、しかも新車時から3年近く経過したダンロップのSPスポーツ01のランフラット仕様にして、乗り心地はまったく問題なし。また最高速が230km/hオーバーにも達するせいか、直進安定性も妙に高い。対向4ピストンの大型フロントキャリパーを備えたブレーキもいい感じで効く。初期タッチは過敏すぎず、ブレーキ鳴きもなく、ブレーキダストも少なそうだった。

絶賛に終わるのも何なので、あえて気になった点を挙げれば、高速走行時のエンジン音(主に排気音か)が少し大きめなことか。いかにも高性能車らしいエキサイティングな音は短時間なら楽しいが、例えば二人で名古屋から箱根まで日帰りで往復する、なんていう状況では、ちょっと疲れるかも。

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年式・車名  2009 MINI John Cooper Works
形式  ABA-MFJCW
寸法  全長3700mm×全幅1685mm×全高1430mm
ホイールベース  2465mm
車重    1210kg
駆動方式  FF
エンジン  1598cc 直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴・ターボ
最高出力  211ps(155kW) /6000rpm
最大トルク  26.5kgm (260Nm)/ 1850-5600rpm


トランスミッション  6速MT
使用燃料/容量   プレミアムガソリン / 50L
10・15モード燃費  -km/L
タイヤ      205/45R17
最小回転半径   5.1m
販売期間     2008年9月~(2011年12月現在も販売中)
発売時の新車価格  363万円(2008年9月発売モデル ※オプション含まず)


試乗車スペック

初年度登録   2009年3月
試乗日     2011年12月
走行距離    1万4600km
ボディカラー  ペッパーホワイト
備考      キセノンヘッドランプ、エアロ・ダイナミック・パッケージ付(以上は純正オプション)、新車保証残りあり、ワンオーナー、ETC付
AIS評価点    5点
販売価格    335万円(消費税込み)

 

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単なるチューンドモデルではなく「いいクルマ」

オートプラネット名古屋にズラリと並ぶMINI。左奧の2台はR56型のクーパーS

さすがメーカー純正モデルだけに、JCWの完成度はクーパーSに何ら遜色なし。1.6ターボで211psと聞くと「カリカリチューンでは」と思ってしまうが、実際にはクーパーSの上級モデルと言えそうな「いいクルマ」に仕上がっていて、運転もしやすいし、乗り心地もいい。その「ホット」度合いは、クーパーSが一辛くらいなら、JCWは二辛くらい。スポーツモデル好きなら普通に「美味しく」いただけると思う。

購入時に知っておきたいのは、当初オプションだった「エアロ・ダイナミック・パッケージ」が、2010年から標準装備になったこと(新車価格はこの時に22~24万円上がっている)。なくても困らないエアロパーツだが、後から買うと塗装費や取付費込みで30万円以上かかりそうなので、迷うくらいなら装着車を選んでおいた方がいいだろう。

 
操縦性や乗り心地をバランスさせた足回りの仕上がりはクーパーS以上

また、プラスαの高性能を求めるなら、今からクーパーSを買ってイジるより、JCWを買った方が早道で安上がり。JCWのUカー相場には希少性に加えて、そのあたりの事情も反映されていると思う。初めてMINIを買う場合、「いきなりJCWなんてあり得ない」と思ってしまうだろうが、ちょっと背伸びして選ぶのもアリ、と思えるモデルだ。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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