掲載日 : 2012年02月21日
2007 BMW 525i ツーリング Mスポーツ
先進技術を満載した5代目5シリーズのワゴン
今回Uカーで試乗したのは、5代目「5シリーズ」のステーションワゴン「5シリーズ ツーリング」。ツーリングとしては3代目で、コードネームはセダンのE60型に対してE61型になる。
E60/E61型は、ステアリングギア比を電子制御で可変する「アクティブ・ステアリング」、各種操作系を専用コントローラーに集約した「iDrive(アイドライブ)」、スロットルバタフライの代わりに吸気バルブで吸気量を制御する「バルブトロニック」(V8は最初からで、直6は2005年から搭載)、前半はアルミニウム製で後半がスチール製の「ハイブリッドボディ」などなど、先進技術を満載したモデル。斬新なデザインも当時大きな話題になった。
直6の525i、530i、4WDの530xi、V8の550i
日本仕様に直6の525i、530i、V8の550iが用意された点は、セダンとツーリングで共通。ただしツーリングに5リッターV10のM5はなく、代わりに日本向けのセダンにはなかったフルタイム4WDの530xiが導入されている。価格はセダンより30万円ほど高く、ラインナップが出揃った2007年当時で、525iが664万円、530iが797万円、530xiが818万円、550iが1023万円だった。

仕事で乗っても、遊びに見える
5シリーズ ツーリングの魅力は、率直に言ってスタイリングだろう。オカタイ印象のセダンに対して、ツーリングは仕事で乗っていても「今日はお休みですか」みたいなカジュアルな雰囲気がいい。全長4855mm、全幅1845mmというサイズはセダンと同じ。
試乗車は「Mスポーツ」パッケージ装着車で、BMWのモータースポーツ部門であるM社が開発したMエアロダイナミクスパッケージ、車高が15mmダウンするMスポーツサスペンション、専用18インチアルミホイール等が備わる。また黒のメタリックカラーはBMWで定番のブラックサファイアではなく、Mスポーツ専用のカーボンブラックで、光が当たると濃紺に見える。
高年式ほど完成度が高い操作系。遊び心のある荷室
5シリーズで注意したいのは、販売期間中にiDriveやナビゲーションシステムがどんどんアップデートされたこと。ナビは2005年からHDD化され、地図は初期のものより見やすく、操作に対する反応も速くなっている。
ツーリングでは荷室まわりも見どころ。リアゲートにはガラスハッチが備わるほか、ラゲッジボードはダンパーでフワッと跳ね上がり、そのまま保持が可能。床下には自由に仕切ることができる小物入れが備わる。「何を入れようか」と思いを巡らせるのが楽しい。
直6の良さがしっかり味わえる
試乗したのは2007年式の525i ツーリング Mスポーツ。約5年落ちだが、走行距離はたった1万km。新車価格はオプション込みで700万円を超えたはずだが、当車両の販売価格は375万9000円。
エンジンはバルブトロニックが採用されたアルミ・マグネシム混成の2.5リッター直6で、最高出力は160kW(218ps)、最大トルクは250Nm(25.5kgm)。どこから踏んでもリニアに吹け上がり、車重1740kgのボディをスムーズに走らせる。言ってみれば「速っ!」と驚くのではなく、上質な回転フィーリングを楽しむタイプ。もちろんスポーツモードで上まで回せば、十分に速い。
標準仕様の乗り心地はいいが、今回のMスポーツは少々硬め、と書きたいところだが、試乗車にはビルシュタイン製サスペンションが装着されていて、話が少々ややこしくなる。ビルシュタインなのでセッティング次第でも違ってきそうだが、ステアリングを切った時の反応や突き上げのいなし方はノーマルはもちろん、Mスポーツとも違う感じで、好みは分かれそう。
最小回転半径は5.7メートルと大きめだが、低速域でクイックになるアクティブステアリングのおかげで取り回しは苦にならなかった。また初期アクティブステアリングのように急にクイックになったり、ならなかったり、といったことはなく、当然ながらこの年式ではすっかり改良されていることが再確認できた。
年式・車名 2007 BMW 525i Touring M-Sport
形式 ABA-NL25
寸法 全長4855mm×全幅1845mm×全高1480mm
ホイールベース 2890mm
車重 1740kg
駆動方式 FR(後輪駆動)
エンジン 2496cc 直列6気筒DOHC・4バルブ
最高出力 160kW(218ps) / 6500rpm
最大トルク 250Nm(25.5kgm) / 2750-4250rpm
トランスミッション 6速AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 70L
10・15モード燃費 8.5km/L
タイヤ 245/40R18
最小回転半径 5.7m
販売期間 2004年6月~(525i ツーリング)、2005年6月~(エンジン改良型)
発売時の新車価格 659万円(2006年9月発売モデル、※標準仕様)
試乗車スペック
初年度登録 2007年4月
試乗日 2012年2月
走行距離 1万km
ボディカラー カーボンブラック メタリック
備考 電動ハーフレザーシート、HDDナビ、電動パノラマガラスサンルーフ、ETC付
AIS評価点 5点
販売価格 375万9000円(消費税込み)
現行5シリーズと並べても見劣りしない?
ツーリングの新車販売台数はセダンより少ないが、Uカー市場での人気は高く、中古車相場は高め。その分リセールバリューも高い。ただ相場が高めと言っても、今ならコンディションのいいものが300万円台から探せる。というわけでE61型5シリーズ ツーリングはここ数年が買い時だ。幸いなことにE60/61型5シリーズはデザインが斬新で、今見ても全く古さを感じさせない。現行5シリーズと並んでも見劣りしないと思うくらいだ。
マイナーチェンジの内容に注意
今やUカーの主流は2005年以降の直6バルブトロニックモデルだが、525iか530iかは好み次第だと思う。また雪道や雨の高速道路でも安心して走りたい方には、ツーリングでしか選べない530xi ツーリング(左ハンドルのみ)がマニアックでいいかも。相場はさらに高めになる。
知っておきたいのはマイナーチェンジの内容。エンジンの改良だけでなく、装備に関してもナビのHDD化(2005年)、新デザインの電子式ATシフトレバーの採用(2007年)、iDriveの改良(2007年と2009年)など、後になればなるほどアップグレードされている。なので安いからと言うだけでは、後で「あっちにしておけば」となりかねない。ま、新しければ新しいほどいいのはUカー、特にドイツ車の原則。そこを踏まえた上で、これは!という一台を見つけたいモデルだ。
Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS










