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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2012年02月10日

2009 アルファロメオ ミト 1.4 ターボ スポーツ

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アルファロメオの最小モデル

アルファロメオ ミト。発売当時の写真
(写真:フィアット グループ オートモービルズ ジャパン)

「ミト」は2008年に欧州でデビューしたアルファロメオの最小モデル。車名はアルファロメオ発祥の地で、デザイン拠点もあるミラノ(Milano)と生産工場があるトリノ(Torino)を合わせたもの。同時にイタリア語で神話(mito)も意味している。

プラットフォームはフィアットのグランデプントと同じで、特にその高性能モデルであるアバルト グランデプントとは兄弟車と言える関係だが、デザインや各種チューニングはアルファロメオ独自。単なるコンパクトカーではなく、3ドアハッチバックの小型スペシャリティと捉えるべきモデルだ。

6MTから導入。続いて「アルファTCT」を追加

デビュー当時の色は赤、白、黒の3色のみだった
(写真:フィアット グループ オートモービルズ ジャパン)

日本では2009年に1.4リッター直4ターボ(155ps)の「1.4 ターボ スポーツ」(6MT・右ハンドル、285万円)を導入。翌年に同じ1.4ターボながら、フィアット独自の「マルチエア」テクノロジー(吸気バルブの開閉タイミングやリフト量を油圧で連続制御する)を搭載した新開発エンジン(170ps)、アイドリングストップ機能、電子制御ダンパー、ポルトローナ・フラウ社製レザーシート等を採用したトップモデル「クアドリフォリオ ヴェルデ」(左・右ハンドル、328万円)を追加した。

2010年10月には、いわゆるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)の「アルファTCT(Twin Clutch Technology)」を採用した「スプリント」(278万円)と上級グレードの「コンペティツィオーネ」(292万円)を発売。エンジンはクアドリフォリオ ヴェルデのデチューン版(135ps)で、いずれも右ハンドル。後者にはバイキセノンヘッドライト、17インチタイヤ、パドルスイッチ等が付く。

2012年2月現在も、クアドリフォリオ ヴェルデと共に計3グレードで販売中。

 

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コンパクトカーというより小型クーペ

ボディサイズは全長4070mm×全幅1720mm×全高1475mm。Cd値は0.29

デザインモチーフは2006年に量産型が発表されたスーパースポーツ「アルファロメオ 8C コンペティツィオーネ」だが、そんな背景を知らない方が素直にカッコよく見えるのでは。全長は4メートルを、全幅は1.7メートルを少しはみ出すものの、兄貴分の新型ジュリエッタより28センチも短く、8センチほどスリムなボディが愛らしい。しかも5ドアのジュリエッタに対して、こちらは3ドア。ジュリエッタが登場したことで、小型クーペとしてのキャラクターはより明確になったと思う。

 
試乗車の車体色はアルファレッド。いったん廃盤になり、限定車で復活した
フロントにはブレンボ製アルミモノブロック対向4ポッドキャリパーを装備
キセノンヘッドランプは「スプリント」を除く全車に標準装備

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アルファらしさ十分。ポジションも問題なし

試乗車は標準仕様。オプションで2DINの純正HDDナビをセンターに埋め込んだ仕様もある

インパネの内部骨格こそグランデプント譲りだが、目に見える部分(デザインや素材)にアルファロメオらしさが存分に盛り込まれたインテリア。黒基調のダッシュボードやファブリックシートに対して、チタングレー塗装のセンターパネルやステンレス製プレート付ペダルといった具合に、「黒とメタル」のコントラストが見事。

機能面で嬉しいのは、ドライビングポジションがすんなり決まること。ステアリングコラムにはチルト(上下調整)とテレスコ(伸縮調整)が付き、ステアリングが遠い、ペダルが近過ぎる、といったイタ車特有の不満はない。ひょっとすると歴代アルファの右ハンドル車ではベストかも。

衝突安全装備も充実。エアバッグは運転席ニー(膝)を含めて計7個を装備。前席にはダブルプリテンショナー&ロードリミッター付3点式シートベルト、そしてむち打ちを防ぐアクティブヘッドレストも備わる。ユーロNCAPの衝突安全テストでは最高評価の5つ星を獲得。

 
キーの基本構造はフィアット車と共通だが、デザインは見事にアルファロメオの「盾」
「D.N.A.」システムの「D」(ダイナミック)モードを選択するとブースト計が表示できる
走行モードを切り替える「アルファ D.N.A.システム」。これは「ダイナミック」選択時
 
フットレストとABCペダルには質感の高いステンレス製プレートが備わる
シフトレバーのストロークはやや長め。リバースはリングを引いて左奥
ショルダー部にはアルファの紋章を刺繍。オプションでポルトローナ・フラウ社製レザー(タンカラー)も選べた
 
エンブレムを押すと、ボムッとリアゲートが浮き上がる。カッコよくて便利
荷室容量は270~950リッター。ゲートの敷居はアルファの伝統で?かなり高い
後席は二人掛け(乗車定員4名)。開放感はないが、居住性や乗降性はまずまず

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ジャジャ馬だけど楽しい

メーカー発表値は最高速が215km/h、0-100km/h加速が8.0秒フラット

試乗したのは2009年式の1.4ターボ スポーツ。導入初期のモデルで、取材時点では約2年半落ち、走行距離2万8300kmのワンオーナー車。小キズはあるが、内外装コンディションは良好で、販売価格は新車時の285万円に対して219万9000円。ミトに乗るのはやはり2年半ぶりで、当時乗ったのもこれと同じ1.4ターボ スポーツだった。

まずは「アルファ D.N.A.システム」のN(ノーマル)でスタート。1.4リッターの小排気量ターボだが、低回転でも粘り、クラッチも扱いやすいので、エンストの心配はなし。パワートレインが揺れたり、ジャダーが出たりすることもない。シフトレバーのストロークは長めだが、運転はイージーで、マニュアル車が乗れる人ならすぐに慣れるはず。

 
「1.4ターボ スポーツ」のエンジンは、同時期のアバルト グランデプントと共通

アクセルを踏み込めば、最高出力155ps、最大トルク20.5kgmのパワーで軽々と加速。普段はこのNモードが一番乗りやすい。さらに「D.N.A.」のD(ダイナミック)を選べば、ステアリングの重みがグッと増し、最大トルクが23.5kgmにアップ。トルクステアはかなり豪快になるが、電子制御デバイスが優秀なので過大なホイールスピンはなく、ターボらしい炸裂感が楽しめる。ちょっとスパイスが効き過ぎだと思えば、Nモードに戻せばいい。

デートや長距離ドライブでもOK

サスペンションは前がストラット、後ろがトーションビーム。試乗車のタイヤはミシュランのパイロットスポーツ・エグザルト(6分山)だった

ミトはノンビリ走っても悪くない。ターボの過給圧が低い領域で走れば、スムーズかつ穏やか。乗り心地も悪くないし、静粛性もまずまず。小型クーペとして、デートや長距離ドライブにも問題なく使える。MINIのクーパーSより快適かも。路面が荒れてくると足回りがバタつき、ワインディングではMINIほどの安定感は望めないが、十分に許容範囲。ちなみに雨や雪の日には「D.N.A」のA(オールウェザー)を選ぶと、各種制御が滑りやすい路面に最適化される。

それから走らせたときのヤレ感もまったくなし。ここ最近のアルファロメオは、本当にボディがシッカリしていると思う。実のところデビュー当時に試乗した時よりも今回の方が印象が良かったくらい。年式や仕様は当時乗った車両とほとんど一緒のはずなのだが。

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年式・車名  2009 Alfa Romeo Mito 1.4 Turbo Sport
形式  ABA-955141
寸法  全長4070mm×全幅1720mm×全高1475mm
ホイールベース  2510mm
車重    1220kg
駆動方式  FF(前輪駆動)
エンジン  1368cc 直列4気筒DOHC・4バルブ・ターボ
最高出力  114kW(155ps) / 5500rpm
最大トルク  201Nm(20.5kgm) / 5000rpm
 ※ダイナミックモード使用時:230Nm(23.5kgm)/ 3000rpm


トランスミッション  6速MT
使用燃料/容量   プレミアムガソリン / 45L
10・15モード燃費  -km/L
タイヤ      215/45R17
最小回転半径   5.5m
販売期間     2009年5月~
発売時の新車価格  285万円(2009年5月発売モデル)


試乗車スペック

初年度登録   2009年6月
試乗日     2012年2月
走行距離    2万8300km
ボディカラー  アルファ レッド
備考      新車保証残りあり、ワンオーナー、ETC付
AIS評価点    4点
販売価格    219万9000円(消費税込み)


 


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ミトの実力を知る

オートプラネット名古屋はアルファロメオの認定中古車も多数在庫する

デビュー当時のミトはワインディングで飛ばすと足回りにやや不安を覚えたものだが、最近になって「現行型はすごく良くなっている」という話も聞いていた。とはいえ初期モデルは・・・・・・と思って挑んだ今回の初期ミト、これがあれっと思うほど、ぜんぜんイイ感じ。当時ミトに試乗した同行スタッフも同じ感想だったので、単なる思い込みではないと思う。新車時に乗ったモデルを数年後に乗り直す、ということは今まで何百回もやってきたが、こんな風に印象が好転することは割と珍しい。

何が原因なのか、本当のところは分からないが、いずれにしてもミトの実力らしきものが初期モデルでも味わえたのは嬉しいこと。多少ジャジャ馬ながらも「乗って楽しい、見て楽しい」クルマなのは間違いなし。ここに来て「今、Uカーでミト」は大ありだと強調しておきたい。

マニュアル派なら6MT、AT派ならTCTで決まり

クロームメッキのリングにLEDを散りばめたリアコンビライトも「8C コンペティツィオーネ」風

というわけで、マニュアル派には今回試乗した「1.4ターボ スポーツ」はもちろん、乗ったことはないけれど、170psエンジン+6MTの「クアドリフォリオ ヴェルデ」もありだと思う。後者には新世代エンジン(よりパワフルで、スムーズで、燃費もいいらしい)、電子制御ダンパー、フラウ社製レザーシート、アイドリングストップ機能等が備わる。

そしてAT(2ペダル)派なら、2010年秋からのアルファTCT仕様で決まり。残念ながらミトのTCTは未体験だが、新型ジュリエッタのTCTで得た感触から言えば、その完成度は心配無用。パワーは十分だし、運転も普通のAT並みにイージー。セレスピードのようなコツは全く必要とされない。「DCTに興味はあるけど、ドイツ車はなぁ・・・・・・」なんていう方に最適。その場合はバイキセノンヘッドライトやパドルスイッチが付く「コンペティツィオーネ」がおすすめ。また今ならいっそ新車で買うのもありだと思う。何にしても、巷が新型ジュリエッタにうつつを抜かす今こそが、ミトを狙うチャンスだ。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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